牡牛座には、プレアデス星団の他にもうひとつの星の群れがあります。
顔の部分に当たるヒアデス星団で、アルデバランのすぐ近くにあります。

プレアデス星団ほどはっきりしていませんが、赤く光っている一等星のアルデバランをはじめ、いくつかの星が“Vの字”に並んでいるのが肉眼でもわかります。
ヒアデス星団がまばらに見えるのは、地球から一番近くにある散開星団だからで、その距離はわずか130光年しかないのです。
このヒアデス星団の中で一番明るいのは、もちろん一等星のアルデバランです。
このアルデバランが赤く見えるのは、表面温度が低いからなのですが、実はアルデバランはヒアデス星団とは関係のない星で、星団よりもずっと手前の70光年のところにあるのです。
つまり、星団と一緒に数えていますが、偶然にも同じ方向で重なって見えているだけなのでした。