おおいぬ座と言うよりも、全天で一番輝いて目立っているのがシリウスです。
シリウスという名前は、ギリシャ語の「焼き焦がすもの」と言う意味の「セイリウス」からきたものです。
日の出間近の東の空にシリウスが見えるようになると、太陽と並んで暑い夏の季節を作り出すからだと考えられていたことによります。

シリウスが明るいのは、地球からたったの8.7光年と近くにあるためで、シリウスそのものが特別に明るく光っているわけではないのです。
このシリウスには、白色矮星(はくしょくわいせい)と言う、白い、奇妙な小人がくっついて回っています。
大きさは地球の倍程度なのに、重さは太陽と同じくらいという超重量級の小さな星です。
この様な星は、太陽のような星が年をとり、表面のガスが無くなって芯だけが残ったおじいさんなのです。言うなれば、星の一生の終わりに近い、残り火みたいなものと考えられます。
このシリウスの伴星Bは、今でこそ白色矮星になっていますが、かつてはシリウスのように光り輝いていたはずです。
8等星なので、倍率の良い双眼鏡なら見えそうですが、シリウスの光が邪魔をするので20cm以上の口径を持つ天体望遠鏡で、更に好条件の時にだけようやく見ることができるのです。